行政書士試験に234点で合格した元サラリーマンの勉強法と実務

平成25年、サラリーマンだった当時に234点で行政書士試験に合格した際の「勉強法」と、その後独立開業から実務の経歴までを忘備録も兼ねて書き留めているブログです。現在、行政書士試験の合格を目指している方、また、合格後に開業を考えておられる方にとって、私の体験が少しでも励みになればと思います。

行政書士試験に限らず、資格試験全般に使える勉強法と思います。是非お役立てください。

試験の申込はお忘れなく

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こんにちは。「行政書士・FPみらい法務事務所」の佐藤です。
受験生の皆さんは、猛暑の中、頑張っておられることと思います。今日は令和2年の試験を受験予定の方にお知らせです。
本試験の受験申込受付が、ネットは25日(火)、郵送は28日(金)※当日消印有効 までとなっております。もう既にお済の方が多いと思いますが、まだという方は、できれば今日にでも申込を完了させてください。

ネット申込はこちらからです。
https://gyosei-shiken.or.jp/doc/guide/guide.html

今年は、コロナ対策もありますので、必ずご確認ください。

黒沢レオ先生の復活講義

皆さんこんにちは、行政書士・FPみらい法務事務所の佐藤です。

こちら、相変わらず雨が降り続いておりますが、皆様はご無事でしょうか?

今日は、オススメ動画のご紹介。

元LECの講師で、行政書士の実務家としては、私の師匠のような方でもある(ただの飲み仲間でもあるw)東京会の黒沢レオ先生が、行政法の解説動画を毎日アップしておられます。

5年前までは、新宿エルタワー本校の生講義を担当しており、驚異の合格率を誇っていた元カリスマ講師の動画は必見です。

YouTubeチャンネルは以下のリンクからご覧頂けます

憲法と判例

ご存知の通り、憲法の条文は100条ほどです。
たったこれだけの条文に、国家の指針を示すわけですから、個々の条文が「抽象的」な内容になるのは致し方ありませんね。

そこで、重要になるのが「学説」だったり「判例」であったりします。これらが、問題が生じた際には、「憲法条文ではこのように解釈される」と補足説明してくれているわけです。

ただ、行政書士試験では、「学説」を取り扱った出題はあまり多くはありませんので、必然的に判例の学習が中心になります。(基本テキストもそのように作られています)

憲法の「第21条1項」を例に挙げ、説明してみます。条文は以下の通り。
1.集会.結社及び言論の自由、出版その他一切の表現の自由は、これを補償する。

「表現の自由」を保障している条文ですが、表現の自由とは〇〇と〇〇と・・・などと具体的に定義されているわけではありませんので、「集会、結社及び言論の自由、出版その他一切の表現の自由」が具体的になんであるのかは、解釈の問題となります。

そこで憲法が施行されて以来、この「表現の自由」を巡って、様々な権利が主張されてきました。
下記はその一部です。

・知る権利・・・博多駅テレビフィルム事件(S44.11.26 最判)
・アクセス権・・・サンケイ新聞事件(S62.4.24 最判)
・報道の自由・・・博多駅テレビフィルム事件(S44.11.26 最判)
・取材の自由・・・西山記者事件(S53.5.31 最決)

ただ、行政書士試験において、重要なのは判決ではありません。どちらが勝った負けたではなく、その事件において、最高裁判所がどのような権利を「表現の自由」として保障し、または尊重し、どのような制約を受けると判断したのかが重要なわけです。

最高裁は、博多駅テレビフィルム事件で「報道の自由」と「取材の自由」について以下のような解釈を示しました。
①「報道の自由」は21条で保障される
②「取材の自由」も十分尊重される。
③「取材の自由」に関しては、公正な裁判を実現するというような、憲法上の要請がある場合は、一定
の制約は受ける


この点をしっかり理解すると、点数が取れます。

そして、この問題がどのように問われるかを、過去問で確認します。

2013年試験 問7 肢1
報道機関の取材の自由は憲法21条1項の規定の保障の下にあることはいうまでもないが、この自由は他の国民一般にも平等に保障されるものであり、司法記者クラブ所属の報道機関の記者に対してのみ法廷内でのメモ採取を許可することが許されるかは、それが表現の自由に関わることに鑑みても、法の下の平等との関係で慎重な審査を必要とする。

いかがでしょうか?
この問題の場合、憲法21条1項で保障されているとされたのは、「報道の自由」であり、取材の自由は保障されていないので、間違いということになります。

このように判旨を十分に理解し、それから予想問題であったり、市販の問題集でやりこむことをお勧めします。ちなみに、司法試験短答式や予備試験の問題は、若干傾向がちがいますので、あまりお勧めしません。(私はやりましたが…)

注意:憲法判例は記述で問われることはないので、判旨の確認と問題集を繰り返す程度に、「覚えて」おけば大丈夫です。深入りして、暗記することは避けてください。

むしろ、暗記が必要なのは、「統治」分野の条文です。こちらは、しっかりと覚えることが重要です。

私がおススメする憲法の問題集はこちら!

行政士試験は実務で役に立たないのか?

こんにちは、行政書士・FPみらい法務事務所の佐藤です。
皆さん、学習は進んでますでしょうか?

新型コロナウイルスの影響がどうなるか、今後も予断は許しませんが、今の状況ですと今年度の行政書士試験は予定通り開催されそうですね。来週も頑張っていきましょう。

ということで、今日は行政法と実務の話です。
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※なにか新たな業務を始めるときは、「ばっかり読み」がおススメ

 よく、「行政書士試験の内容は、実務では役に立たない」という声を聞きます。
本当のところはどうなのでしょうか?私の実感としては、それはNOです。

確かに、細かく暗記した憲法条文や判例も、実務では全く使わないかもしれません。
しかし、民法、会社法、行政法や情報通信につきましては、取扱う業務によってかなり必要な知識だと思います。例えば、私が主業務の一つとしている「ドローンの関連法規」を例に考えてみましょう。

ドローン(以下は無人航空機)の規制が盛り込まれた改正法が施行されたのは、2015年12月10日です。(この法律の成り立ちや、規制の背景は、法律を理解する上で非常に重要なのですが、それはまた、いつかの機会に)まず、その改正法成立までの流れを見てみましょう。

①7月14日閣議決定し、衆議院に法案を提出(内閣提出法案)
②8月26日衆議院国交省委員会可決
③8月27日衆議院審議終了(可決)
④8月31日参議院国交省委員会可決
⑤9月4日参議院審議終了(可決成立)
⑥9月11日交付
⑦12月10日施行

この改正法は「ある事件」が原因になったという特殊な背景もありますが、この流れを見て閣議決定から施行までたった5ヶ月しかかかっていないという、ハイスピード改正法だったことが分かります。ここまでは、立法分野ですので、憲法学習を思い出せば、立法過程がどのようなフローになっているのかは分かると思います。

重要なのはここからです。
この、改正法の中で『航空法132条』だけを抜粋して例示してみます。
132条 
何人も、次に掲げる空域においては、無人航空機を飛行させてはならない。ただし、国土交通大臣がその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
1 無人航空機の飛行により航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがあるものとして国土交通省令で定める空域
2 前号に掲げる空域以外の空域であつて、国土交通省令で定める人又は家屋の密集している地域の上空


いかがでしょう?これだけでも、行政法で学んだ知識がかなり問われます。

この条文を解説すると
「何人も、①国土交通省令で定めた航空機の航行の邪魔になるような場所や人や家屋が密集している地域では、ドローンを飛ばしてはダメです。ただし、②国土交通大臣の許可を受ければ、飛ばしていいですよ。」となります。

①は、法律の委任を受けて制定する「委任命令」ですよね。こちらは行政立法で学びます。
②は、一般的に禁止して、国土交通大臣の許しがあればOK。「講学上の許可」にあたります。

また、この改正法を132条の許可にあたっては、申請書を提出するように「航空法施行規則」が定められております。

第136条の3 
第132条ただし書の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。


更に、この航空法施行規則の一部を改正する省令を定める際に、2015年9月16日から11月17日まで「パブリックコメント」が実施されました。このパブリックコメントでは、622件の意見が集まり、その意見を踏まえて、当初の審査要領が修正されております。こちらの手続きは、行政手続法「命令等を定める手続き」に則って行われております。

ここで定められた「審査要領」は、許可にあたっての審査基準を定める、「行政規則」にあたりますよね。

ほかにも、この「審査要領」は、行政手続の一般法である行政手続法」に則り、許可承認の審査手続きが決められております。また、仮に申請が不許可であった場合は、申請に対する不許可を不服として「審査請求」を行うことができます。

更に、その許可には「航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全に影響を及ぼすような重要な事情の変化があった場合は、許可等を取り消し、又は新たに条件を付すことがある」など附款」が付加されております。

いかがでしょうか?どれも、皆さんが現在学習されている行政法の内容そのものですよね。

我々、許認可を生業としている行政書士は、クライアント代理人となって行政より許可をもうことが仕事です。そのためには、根拠法令はもとより、その施行令、政令、省令だけでなく、訓練や通達まで幅広く目を通し、行政側が間違った処分を下すようならば、それを正していくことも我々の責務です。

たしかに営業テクニックは大事です。集客できなければ食えません。
ただ、あまりにマーケティングに注力し、許可マニュアルだけを読む行政書士というのは、いかがなものでしょうか?

今日の話の結論は、みなさんの試験勉強も無駄にはならないとううことです。

では、また来週。

(本日のおススメ書籍)

学習したことを忘れない①

こんにちは、行政書士・FPみらい法務事務所の佐藤です。

ようやく都道府県間の移動が解禁になりましたね。しばらく出張を自粛しておりましたので、大変うれしい限りです。ソーシャルディスタンスを保ちながら、アグレッシブに活動していきたいと思います。

今日は、『忘れない為にどうするか?』という話。
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(エビングハウス忘却曲線)

行政書士試験の範囲は、司法試験や司法書士試験と比較すると、さほど広くはありません。しかし、受験者に法律初学者が多いことを考えると、一概に「簡単だ」とは言えないと思います。

特に、学習が進むにつれてこのような経験はないでしょか?
「行政法を勉強していたら、すっかり民法を忘れてしまった・・・」
なぜこのようなことが起きるのでしょう?

それは、頭が悪いからではなく、単純に脳の記憶のメカニズムの問題です。

図は、「エビングハウス忘却曲線」と言います。

見ていただくと分かると思いいますが、記憶は学習直後から急減に落ち込み、翌日には30%まで低下します。つまり、次の日には「勉強したことの70%」は頭から抜け落ちているという訳です。ですから、覚えていないのは当然なんです。

しかし、私たちは意外と自分の頭を過信しがちです。そして、数日経って条文や判例をほとんど覚えていないことに愕然として、「俺はなんて馬鹿なんだ」と自己嫌悪に陥り、挙句の果てには試験そのものを諦めてしまったりします。

でも、これって本当に馬鹿が原因なのでしょうか・・・?

そうではありません。人間は忘れる生き物です(一部の天才や特殊な能力の保有者は除きます)。考えてみてださい。直前に聞いたドラマのセリフを初見で完全に記憶し、復元できる人間が何人いるでしょうか?
とは言え、行政書士試験は暗記がベースです。覚えなければならないことは膨大にあります。では、「高得点合格者」はなにか特別なことをやっているのか?

それは、単純に「忘れる前に覚える」を繰り返しているだけです。

「人間は忘れる生き物」であり、それを「忘れなくする」にはこれしか方法がありません。
その方法とは実に簡単で、翌日に30%しか覚えていないなら、翌朝に、前日学習した箇所の復習をかけてあげて、記憶を100%近くに上げてやればいいのです。

覚えているかどうかの確認方法は次の2点、「白紙復元」と「答練」。

白紙復元とは、判例のキーセンテンスや条文を書き出す方法と、言葉に出してい言ってみる方法があります。答練は、前日学習した箇所の問題を解き、間違えた個所を再度覚える方法です。

白紙復元は、学習と並行して「覚える」必要があるものを、単語帳や暗記ノートに書き出し、とにかくインプットとアウトプットを繰り返します。

使うアイテムや具体的な方法は、また次回書きます。


憲法の出題分析と勉強法(人権)

行政書士・FPみらい法務事務所の佐藤です。
実務家ブログはこちらから

例年通りであれば、憲法は5肢択一式が5問、多肢選択式が1問出題されます。
点数にすると、28点(全体の9.3%)です。
この数字だけ見ると、さほど重要でない気もしますが、「憲法」は日本の最高法規です。従って憲法に反する法律や条令、規則などは制定することができません。そういった意味でも、憲法の判例や各条文の解釈は非常に重要になります。

ここで、直近の行政書士試験における憲法の出題傾向を見ていきましょう。

〇2019年試験
人権:3問
統治:3問

〇2018年試験
人権:4問
統治:2問

「人権」については、判例中心の問題となります。
ちなみに19年の「人権」で問われたのは、以下の通りです。
問4・・・法の下の平等
問5・・・参政権
問6・・・精神的自由

「人権」の出題は、違憲を争った判例の問題がほとんどです。当然、判例中心の勉強することになりますが、間違ってはいけないのが、過去問集を中心に勉強を進めることです。

以前、『過去問は解かないで分析するもの』と書きました。なぜなら、過去と同じ出題形式で同じ問題が出題されることがほとんど無いからです。

それは、過去の出題例から見てもよく分かります。過去10年で2回以上、本試験問題に採用された「人権」の判例は以下の通り。
  • マクリーン事件(H14問4)(H15問3)(H17問3)
  • 百里基地訴訟(H18問3)(H13問4)(H15問5)
  • 国籍法3条1項違憲判決(H18問6)(H13問3)(H19問4)
  • 非嫡子に対する相続分差別(H16問7)(H19問4)
  • 再婚禁止期間違憲訴訟(H16問7)(H19問4)
  • 税関検査事件(H10問3)(H11問5)
  • 第一次家永教科書事件(H10問3)(H19問6)
  • 成田新法事件(H16問42)(H19問6)
  • 在外邦人選挙権はく奪違憲確認等請求事件(H11問4)(H19問5)
  • 旭川学テ事件(H12問41)(H19問6)
いかがでしょうか・・・少ないですよね?
恐らく、20年分となるともっと増えると思いますが、それでも少ない。
これが「過去問を解くな」といった1つの理由です。

とはいえ、まったく過去問通りの問題が出ないかというと、そうではありません。
もちろん出題例はあります。

2019年問題4 肢4
厳密に父性の推定が重複することを回避するための期間(100 日)を超えて女性の再婚を禁止する民法の規定は、婚姻および家族に関する事項について国会に認め られる合理的な立法裁量の範囲を超え、憲法に違反するに至った

『非嫡子法定相続分違憲判決/最大決平 25.9.4』に関する出題です。

実はこの問題、2016年にほとんど同じ形式で出題されております。

2016年問題7 肢5
父性の推定の重複を回避し父子関係をめぐる紛争を未然に防止するために、女性にのみ100 日を超える再婚禁止期間を設けることは、立法目的との関係で合理性を 欠き、憲法に違反する

これパターンの出題だと、過去問集をしっかりやっていれば簡単に回答できそうですよね。
しかし、このようなことはごく。多くは、同じ判例の問題でも、違った形式で出題されるものがほとんどです。

以下は、『国籍法3条1項違憲判決/最大判平 20.6.4』に関する3つの問題です。

2019年問題6 肢2 
 国籍法が血統主義を採用することには合理性があるが、日本国民との法律上の親 子関係の存否に加え、日本との密接な結びつきの指標として一定の要件を設け、こ れを満たす場合に限り出生後の国籍取得を認めるとする立法目的には、合理的な根拠がないため不合理な差別に当たる

これは、判決が合致しているか否かを問うオーソドックスな問題です。この判例は、2012年、13年と連続で出題されておりますが、実はまったく違った形で出題されております。長くなるので問題は記載しません。お手持ちの問題集でご確認ください。

2012年問題6:判例文を読み、この判例から読み取れない内容の選択肢を選ぶ問題。

2013年問題3:判例穴埋め問題。

以上の例から、過去問を完璧にしたからと言って、答えが導き出せるわけではないということはお分かりいただけたかと思います。

従って、過去問集は、その問われた「判例」を確認し、その出題方法を分析することに使うのが正しいやり方です。
それをやっていれば、仮に過去の出題と同じ問題が出でも対応できます。

では、判例の具体的な学習はどのようにしていけばよいのか?
それはまた次回掲載します。

搾取から抜け出す手段として(再アップ)

何故か人気記事のようなので、再アップしますね。
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カール マルクスは『資本論』で「資本主義社会では資本家が労働者を使うことによりどんどん資本を蓄積させ、労働者はますます貧困に喘ぐことになる」と言い、これを「搾取」と呼びました。

 ロバート キヨサキは 『金持ち父さん 貧乏父さん』にて「朝起きて、仕事に行き、請求書の支払う、また朝起きて、仕事に行き、請求書を支払う…この繰り返しだ。そのあと彼らの人生はずっと恐怖と欲望という二つの感情に走らされ続ける」と書きました。 これを彼は「ラットレース」と呼んでおります。

  2008年、前年のリーマンショックにより「派遣切り」が世の中を騒がせておりました。
 それからほどなくして身の回りにもその波が押し寄せてきました。大手メーカーの営業所の撤退とリストラか始まり、取引先の担当者が何人も早期退職へと追い込まれていきました。

 冒頭の2冊を手に取ったのはそんな折です。

 バブルが弾けたのは大学受験の時でした。ただ実態経済にはまだバブルの余韻があり、将来を悲観する要素はありませんでした。
 ですからソ連崩壊後の当時に大学で学んだ「資本論」はリアリティがなく古典を学ぶような感覚だったと思います。 はっきり言って記憶すらありません。

 そのリーマンショック以後

 私はサラリーマンでいる限り、この二人の言う搾取ラットレースを抜け出すことはできないと思い始めました。

 それから起業というものを強く意識し始めることになります。

つづく…

早く、そして繰り返す

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こんにちは、行政書士みらい法務事務所、代表の佐藤です。
※こちら試験ブログです。実務のブログはこちらにアクセスください。

5月も後半ですね。試験までおおよそ5ヶ月半を切りました。

正直、法律初学者で仕事をしながらの独学受験となると、今から学習開始では、非常に厳しいと思います。おそらく、来年の試験を目標に勉強計画を立てた方が、結果的に最短で合格できる場合があります。(もともとハイスペックの方なら別ですが)

といいますのも、法律の勉強は「基礎・基本」ができてないと、追い込みで点数が伸びてきません。

例えば、試験まで間が無いと、勉強は過去問と予想問題の答練から始めざるを得なくなります。
このやり方は、答練に類似する問題には対応できるのですが、そもそも法律ベースの知識が不足しているため、定義、判例の理解度や細かい条文知識を問う問題には対応できません。
本試験の難易度が高くなればなるほど、点数が取れないといった具合になります。

ではどうしたらよいのか・・・?

始めは、まず「入門本」で全体の概要をつかんでください。この時、深入りはしないように。
ポイントは「3回読み」です。

  • 1回目・・・素読します。この際に、わからない言葉にチェック。
  • 2回目・・・1回目にチェックした言葉の意味を確認しながら読む。
  • 3回目・・・チェックした言葉の意味が、頭に入ったかを確認しながら読む。

これを「憲法、民法、行政法(順番はこの通り)」で1教科1週間、計3週間で終えてください。

それから、「行政書士試験基本テキスト」に入っていきます。

できるだけ3週間程度で終えることです。なぜなら、このスピードが記憶を定着させるために必要だからです。
これは、行政書士試験学習全般に言えることですが、「深くゆっくりより、早く何回も繰り返す」です。


もう一度基礎をやりたい方におススメの一冊。
タイトルは、『法律を読む技術、学ぶ技術』(吉田利宏著)
書店に平積みされているなら、思わず手に取ってしまいまうタイトルですよね(笑)

こんな時こそ行政書士は活躍できる

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ようやく、一部を除き「緊急事態宣言」が解除されましたね。
しかし、まだ新型コロナウイルスが消えたわけではありません。また何時、その猛威が戻ってくるかもわかりません。私たちの生活が4ヵ月前に戻ることは、ずいぶん先になるのかもしれませんね。

しかし、家賃の支払い、借金の返済、売掛金の支払い・・・仕事や日々の生活は待ってはくれません。

今後どれだけの倒産があるのでしょうか。貧困になれば犯罪も増えるのが常です。本当に心配です。

ところで、私たち行政書士はどうでしょうか…食べていけるの?

そこで、少し私の事務所の話をしてみます。

みらい法務事務所の主な業務は以下4つです。
①「無人航空機の許可承認に係る業務」
②「旅館業許可と住宅宿泊事業法に係る業務」
③「中小企業の資金調達に係る業務」
④「各種法人の設立と、営業許可に係る業務」

詳しくは、私のホームページ「みらいのブログ」にて

その中でも①~③が売り上げの8割を占めます。
いわゆる、建設業、車関係や入管業務を扱う、「THE行政書士」ではありません。(多少入管業務はやっておりますが)

軽く想像して頂くとお分かりになるかと思いますが、①と②はコロナの影響をモロに受けました。

①の場合、私は(一社)九州ドローンスクールで講師兼校長や、熊本県ドローン技術振興協会の法務顧問なども務めておりますが、どちらも3月から休講状態です。当然売り上げゼロで、許可承認も更新依頼のみ…

②ですが、こちらはインバウンド需要が壊滅的であり、将来の予想もたたない今、新規の開業依頼はほとんどありません。(将来を見据えてい月に1~2件の開業相談はあります)
こちらも行政書士事務所とは別に、民宿・民泊の管理運営会社(株)REQRAS.INNを運営しておりますが、管理施設の稼働率は酷いものです。

しかし、決して愚痴を書いているのではありません。今日の言いたいことはここから。

①、②がほぼ休業状態である中でも、私の事務所はかなり多忙です。原因は③によります。

政府は今、補正予算で中小企業の金銭的な救済案を矢継ぎ早に行っております。これにはすべて「申請」が必要なんですよね。で「行政機関への申請」は誰の仕事か…?

当然、我々行政書士の仕事です。

資金調達の業務を始めたのは、平成26年4月に発生した熊本地震がきっかけです。
このような大規模災害が発生してから、復旧・復興に至る中で、リソースに余裕のない事業者と行政との橋渡しをする役割は、我々行政書士以外はできないことを痛感しました。

そしてその年、小規模事業者の経営サポートする有志を募り、行政書士と中小企業診断士9名からなる「経営アシスト・ファーストパス」を立ち上げました。ちょうど開業から1年目の時です。

つまり行政書士の仕事は、リスク分散さえできていれば好不況関係ありません。

しかも、稼げる上に社会のお役に立てるという、とても稀有な職業と思います。

受験生の皆さん、行政書士は本当にオススメできる仕事です。


是非、コロナなど乗り越えて、今年の試験に軽く合格し、同僚とし行政書士というものを盛り上げていきましょう!



過去問集は第二のテキストです

みさなんこんにちは。「行政書士・FPみらい法務事務所の佐藤」です。

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今日は過去問集の使い方について書きます。

過去問集には2種類あります。「年度別過去問集」と「科目別、体系別過去問集」です。
こちらの2つは、それぞれ使い方が違います。とりあえず「年度別」は置いといて、今日は「科目別、体系別」の使い方の話。

写真にあるLECの「2020年版ウォーク問」を例にお話をすると、このような類の問題集は、問題がきちんと科目別、体系別に整理されているのがわかります。
また、各科目の冒頭で、講師の先生が「合格テクニック」という形で、学習のツボを教えてくれています。
これも結構いいことが書いてます。

では本題の使い方ですが、以前の記事にも書いているように、過去問は解かないということです。

ではどのように使うのか…?

それは以下の通りです。

 ①出題の頻度を確認する
 ②出題の問われ方を分析する
 ③第二のテキストとして使う

①は、2010年から2019年までを項目別に確認します。
例えば、行政法総論では「行政上の強制手段」が、

択一で7/10年(回)
多肢選択が2013年に1回
記述が2011年と2016年の2回

の出題があり、出題がなかった年は2012年の1回のみということがわかります。
従って、「行政上の強制手段」は毎年出る可能性が高いという事がわかりますね。

②は、①で確認したものを、さらに深掘りします。
「行政上の強制手段」のうち、択一の出題で「行政代執行法」を一肢でも触れている年は、5/7年(回)です。
そして、問題を確認すると、その全部が、条文知識を問われているものであることがわかります。
また、行政代執行は2年に1回は、なんらかの形で出題されていて、しかも条文をある程度覚えておく必要があるということが見えてきます。

記述式の方では、即時強制と秩序罰が出題されています。
逆に、こちらは同じテーマで再度出題された例はほとんどないので、この2つのテーマは、今後出題の可能性が低いということが言えると思います。
また、今まで出題が無い「行政代執行法」が、なんらかの形で出題される可能性が残っているということも見えてきます。(ただ、記述は判例知識を問われる場合が多いため、代執行は問題が作りにくいかもしれません)

③は、過去問の択一の選択肢と市販の標準テキストを比較すると、標準テキストが全部の過去問題を網羅していないのが分かります。
つまり、高得点合格を狙うならば、市販の標準テキストでは、情報量が少ないということです。
そして、それが「問題集」を第2のテキストとして使うという意味です。

やり方は、標準テキストに掲載されていない判例を問題集でチェックし、前回ご紹介した「択一六法」で判例の判旨を確認します。
予備校が、「再出題は無い」と踏んだ上で、テキストから外してあると思いますが、難問奇問を覗き、一度出題された問題は、何らかの形で出題される可能性もあるので、フォローしておいてもいいです。
もちろん優先度は低いので、学習時間が確保できる方対象です。

以上が、科目別問題集の使い方です。
では、「解くための問題集は何を使うのか?」ということですが、それはまた別の機会に。

それでは、みなさん「明日も一歩、前に進みましょう!」






プロフィール

mirai-houmu

職業:行政書士(H25合格)
資格:行政書士、FP2級・AFP(H26合格)
   ドローン検定1級(H27合格)
来年CFP(科目合格3/6)と測量士補の取得に向けて勉強中です!仕事に直結する資格しか取りません!
現在は行政書士とFPの事務所に加えドローンスクールで講師をしております。
業務:各種法人設立、小規模事業者の資金調達相談、ドローンビジネスに係る法務相談、民泊事業…etc

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